論文やレポートでは物事をはっきりさせるために「明確にする」という表現を使います.この表現は,その論文の意義や結論を述べるときに非常によく用いられるため,意味的に考えても重要な表現です.
しかし、問題は「明確にする」を意味する英語表現が複数あること。代表的なものだけでも、
- identify
- clarify
- define
といった単語が思い浮かびます。
そこで本記事ではこれら3つの単語の使い分けについて説明したいと思います。
「identify」のニュアンス・他の表現との違い
IDカードの「ID」はidentificationです.
つまり,あるものとあるものの対応をとる事(これはリンゴ,これはミカン,など)を意味します.よく「同定する」などと訳されます.
ですから,例えば複数の物があって,1つ目はA,2つ目はB・・・などと対応関係を明確にする場合はidentifyを使います。
identifyを用いた例文
[ 例文1]
It is difficult to identify organic vegetables amang all products in supermarket.
スーパーマーケットの製品の中から有機野菜を特定するのは難しい
[例文2]
The bug that block the system was identified.
システムを止めていたバグが特定された
「clarify」のニュアンス・他の表現との違い
物事をclear(クリア)にすることです.
つまり結論がわからない状況や曖昧な状況を明確にするときにclarifyを使います.
clarifyを用いた例文
[例文3]
They tried to clarify the conclusion with additional data.
彼らはデータを追加することで結論を明確にしようと試みた
[例文4]
Please let me clarify one thing.
一点、確認させてください
「define」のニュアンス・他の表現との違い
物事を定義・決定するときに使います.
特に,範囲や役割を決めるときは,このdefineを使います.
defineが使われるときは客観的にではなく,主観的に物事を決める場合が多いです。
defineを用いた例文
[例文5]
We defined the scope of survey.
我々は調査範囲を定義した
[例文6]
He defines his role by himself.
彼は彼の役割を自分で定義する
といったように,主観が入った意味のときに使われます.
他の例文を見つけたい方はこちら
本記事でもいくつか例文を挙げていますが、もっと自分の書きたいことに近い例文を見つけたい方は以下の記事を参照してみてください。
以下の記事では
- Google検索・サジェスチョンを用いた例文検索や、
- 英語表現検索サイト
を紹介しています。
私は英作文にかなり使えると思っています(実際に私が使っています)。
参考にしていただけたら嬉しいです。
まとめ
本記事で紹介した単語の使い分けは以下の通りです。
- identify : あるものとあるものの対応を明確にする
- clarify : 結論がわからない、曖昧な状況を明確にする
- define : 範囲や役割を明確にする
どれも非常によく使う表現なので,意味を理解して使い分けましょう.そうすれば読み手にとって非常に親切な(読みやすい)文章になるはずです.